「王様」

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大学の頃のメモ第2弾。
以下、メモ。

 自分だけが満足できる作品づくりは作家として怠慢でしかない。

 映画に監督、制作、広報、その下に多くのスタッフがいる。作品を作り、作り続けさせる人、それを世の中に広めていく人。良い作品が必ず正当な評価を受けるとは限らない。だからこそ、評価されるような活動もせねばならない。ただ作り続ける事をよしとする人、大勢の人に認められなくてもよい、感性の合う僅かな人にさえ理解されればよい。芸術家として素直な諦めの気持ちに違いないこの言葉も、いろいろやってぐるりと一回りした、突き抜けた世界観を持ち得た人だから真実みがあるのだ。諦めた事で精神にゆとりが出来、そのゆとりが突き抜けた気持ちよさを持たせる。一回りして精神のゆとりを得るのにオトナは苦心しているのにその手前で、好きなことしかしない自分勝手な作り手は、怠惰でしかない。芸術家としての権利だけ振りかざして、義務を放棄しているのだ。
 「芸術家は自分の芸術の中で王様になったように感じます。そこから世界の眺めを彼が得る権利は、特権であり、義務でもあります」(ピエール・レスタニー)

 過去、多くの機能を持っていた絵画は現代に至るまで、その機能を様々に切り売りしてきた。写真が登場し、記録の機能を失い、様々な情報媒体の登場が、絵画に物語らせる必要もなくなってきた。

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