アニメの最近のブログ記事

『神山賢治の映画は撮ったことがない』を読んだ。神山氏は押井守氏の弟子で『攻殻機動隊 STANDALONE COMPLEX』の監督だ。
最近だと『東のエデン』を監督している。

構図

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ネームや絵コンテを書いていると構図に困ることはないだろうか。
そこで構図の種類について考察してみた。
題材は週刊少年ジャンプ連載の「バクマン」。

富野由悠季がプロについて語った記事。

ジェームズ・キャメロン監督と押井守監督の場合。

ジェームズ・キャメロン監督と会った際もそういう話になった。彼はまず、観客のの支持を得られそうなキャラクターを最初に創造する。そして、そのキャラクターを使って観客の飽きない物語を作り、最後に世界観を作る、と。僕はいつもその逆だと説明した。まず、世界観を構築し、その世界でどんな物語を展開するかを考え、その物語世界になじむキャラクターを最後に考える。 
「他力本願[仕事で負けない7つの力]押井守著 幻冬舎」88ページより引用

マンガなら確実にキャラクターなのだろう。

以前、マンガのコンペにたまたま参加出来たとき、世界観やら、物語を先にもっていくと、編集者に「そんな贅肉いらん」と言われたことがある。
まずはキャラを作れと。

よく言われるが「キャラ立ち」しなければ、なんにもならない。
逆にキャラが立てば、つまらない物語でも面白く出来る。
『うる星やつら』や『ドクタースランプ』が好例。

一時の宮崎駿熱も冷め、いつでもいいやと思っていた『ポニョ』を、公開早々見に行ってしまった。
腐っても鯛。期待せずにはいられない。

で、早速結論を言うと、なんとも不思議な映画だった。
入り込めないというか、夢中に慣れないというか。
宮崎アニメを観て初めて頭に「?」が浮かんだ作品。

細やかな生活アニメーション。
ルパン、コナンを彷彿とさせるアクションシーン。
ラピュタに代表されるボーイミーツガールの主題。
どれをとっても宮崎アニメ。
部分部分はあきらかに宮崎アニメ。

じゃあ、何が今まで違うかと言うと、世界観とドラマだと思う。
一言でいうなら『ポニョ』は絵本のような映画だった。

『ポニョ』を異世界遭遇系と捉えると、『トトロ』や『千と千尋の神隠し』の類型だと言える。
『ポニョ』が他作品と違うのは、現実と異世界の境界が曖昧な点だろう。
『トトロ』では、しっかりと現実世界が描かれている。
トトロやマックロクロスケを見られるのも子供だけ。
ネコバスも大人視点だと、突風として表現されている。
『神隠し』では明確に異世界の扉(モルタル作りの建物)が用意されていた。
それが『ポニョ』では、最初からフジモトが登場。
あり得ない津波を不思議に思わないリサ。
物語中盤、街が海に沈んでもノンビリと船で漂っている夫婦。
何が起きても不思議ではない世界。
つまり僕らにとっては、何が起きても驚かない世界だった。

ドラマとは葛藤。
『ポニョ』はどのキャラもみんな、思いがストレートで葛藤がない。
迷いなく、前に突き進む。
また、乗り越えるべき障害もない。
宗介の周りは味方ばかり。
物語が僕らの中をすんなりと通り抜ける感覚は、多分、この葛藤の薄さじゃあないだろうか。

ただ、これは大人の意見。
子供はどう受け止めるのだろう。

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